初めてやった釣りはのべ竿でのフナ釣り。
母以外の誰かに連れて行ってもらった。 小学校の低学年だったのははっきりしている。
サラリーマンをしている母と自由に目一杯遊ばしてもらえるのは夏休みだけである。
海水浴に連れて行ってもらった際に見た釣り人たちの姿、
テレビで見た魚釣り、 特に磯の大物釣りは画面に釘付けになった。
初めての海釣りは母に道具を買ってもらうことから始めた。
念願かなって投げ釣りの竿とスピニングリールを手にした。
当時 最高の糸、テーパーライン。
すべてはっきり記憶している。
仕掛けは世に出たばかりのジェット天秤と三本針の投げ釣りセット。
エサはゴカイ。
場所は須磨海岸。
神戸周辺の海の自然地形は砂浜とゴロタ浜だけである。
小磯などは存在しない。
よって海釣り=投げ釣りなのである。
須磨海岸に着き 仕掛けは作れた。 糸の結び方はデタラメであるが。
しかし すぐに困ったことになった。
投げ方がよくわからない。
母は近くにいた おじさんに声をかけ教わった。
“投げて糸を張っていると クン クンとなるよー” と説明された。
第一投目、上手く飛んだのを記憶している。
でも距離にして20メートルも飛んでいなかったろう。
糸を張り 砂浜に腰を下ろそうとしたところ 竿先が クン クン。
“上手いこと投げられたやん!”とおじさん。
“今、竿がクン クンしたでー!” と私。
“そんなすぐ釣れへんわー” とおじさん。
気持ち的には早くリールを巻きたかっただけなのかも知れないが たしかにクン クンした。
とりあえず少し待つことにした。
しかし再び クン クン。
母やおじさんのことは頭に無い。
だってクン クン したもん!
無心でリールを巻いた。
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